ビー玉

小さなタメ息と灰色の空、 枯れた紫陽花とパン屋の匂い、季節を失った町で見落とした涙。 幾何学的に並ぶ室外機。 無意味に回る。 野良猫が笑う。 水黽が跳ねる。転がり続ける僕の球体。 削り削られ、綺麗になった僕の心臓。 ビー玉一つ、旅に出る。 青信号…

甘い手

ある人を好きになって自分を変えた。 ある人は私を変えてくれた。 あの日、私は変わった。 あの日、私はなくなった。 夢見る快感と自分の消費。 夏の夜のぬるい風が今日はなんだか心地よい。足取り軽く、入った部屋で 私はさらに自分を露にする。 変わった私…

不思議

誰かの前だと態度が変わる、 可愛くなる、格好をつける、 少し背伸びする、お洒落をする、 強がる、甘える、意地を張る。素敵なことだと思う。 形成された"自分"というものは なかなか変えることはできないのに 好きな人の前では一瞬で違う自分が顔を出す。…

けもの道

私はずっと「頑張れ」という言葉が苦手だ。 友達や家族、恋人、動物にもついつい使ってしまう言葉だと思う。私は何故かうまく使えない。 言いたくない。 言ってしまうとどこか無責任な気持ちに襲わる。 容易く言える言葉ではないと私は思っているけど 周りに…

ありふれた人生

筋書き通りに物事が進むのはとても気持ちが良い。計算して考えて、プランをたてている時間は私に 期待と妄想を膨らませる。それだけでも楽しいのに計画が予定通り進行されていく過程を見て過ごすのに快楽に近いものを感じる。ありふれた人生ってなんだろう。…

あじさい通り

6月一週目に鎌倉に行った。 本当は紫陽花を見たかったが 仕事の休みがとれずにどうしようもなく 一週目に行った。 当然のことながら全く咲いていなかった。 新鮮な緑。 きっと来週辺り綺麗に咲くんだろうなあ。 と思ってその場を後にした。 咲いていないもの…

花の写真

何か習慣が欲しかった。 同じことの繰り返しを欲しがった。些細なことの繰り返しで実る成果が欲しかった。そこで私は茄子の苗を買った。理由はなく、別にトマトでもキュウリでもよかった。水を与えることくらいなら出来る。 アブラムシ対処くらいなら出来る…

群青

学生の頃の感性ってどうしてあそこまで 痛々しく、描写的なのだろう。 ツイートを振り返って思う。 でもそこに生々しさがあって学生ならではの 初々しい可愛さを感じる。恋愛だったり部活だったり進路だったり。 親の問題だったり。友達関係だったり。大人に…

08/10

学生時代に作ってたTwitterのアカウントを たまたま見つけてしまった。 今の自分にない感情が恥ずかしくもかかれていた。 そういえばよく何かあればすぐに自分の想いを書いていたことを思い出した。誰かに聞いてほしいとか、発信したい、とかでなくただただ…